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PowerPoint

プレゼンテーション用スライドを作ろう

スライドショーの再生

プレゼンテーションのスライドすべてが完成できたら、スライドショーを実行させて、動きを確認します。
通常、スライドの切り替えは、話し手の口調のタイミングや内容によって行います。1枚のスライドに対して、話す時間が決まっているような場合であれば、自動で切り替えられるように設定できます。1枚のスライドに対する切り替え時間がその場の流れでないと分からない場合は、マウス操作またはキーボード操作などの手動で切り替えるようにします。
手動の場合、マウス操作であればクリック、キーボード操作であれば、Enterキーを押します。
ここでは、自動設定の方法を紹介します。

自動スライド切り替え設定

スライドの順番を入れ替えたり、画面切り替えなどの設定は、すべてのスライドの状態が把握できるスライド一覧モードで行うと便利です。

①  メニュー[表示]-[スライド一覧]をクリックします。

②  作業ウィンドウは、[画面切り替え]にします。

③  [画面切り替えタイミング]の[自動的に切り替え]にチェックを入れます。そして、下のテキストボックスは「00:05」に設定します。これは、5秒で切り替える設定になります。


④  [すべてのスライドに適用]ボタンをクリックします。

クリック時と自動切り替えのチェックボックスについて
  • 両方ともオフ・・キーボードのみの切り替え
  • クリック時のみ・・マウス操作のクリックとキーボード操作のEnterキーのどちらかで切り替え
  • 自動的に切り替えのみ・・マウス操作は使えなく、自動かキーボード操作で切り替え
  • 両方ともオン・・キーボード、マウス、自動のいずれでも切り替え

すべてのスライドの下に、時間表示されていることを確認します。

もし、あるスライドだけの時間を延長、または短縮したい場合は、そのスライドを選択して、[画面切り替え]作業ウィンドウの時間を変更するとそのスライドのみ時間を変えることができます。
下の図は、最終スライドだけ10秒に変更した例です。

スライドショーの実行

スライドショーを開始するには、いろいろな方法があります。作業ウィンドウの[スライドショー]ボタン、または表示切り替えモードのボタンをクリックします。ただ、これらのボタンは、選択されているスライドから再生されます。
最初のスライドからスライドショーを実行するのであれば、メニュー[スライドショー]-[実行]をクリック、またはF5キーを押して開始します。

①  F5キーを押して、スライドショーを最初から実行します。

②  スライドショーが始まります。

③  最後のスライドが終わると黒い画面になります。Escキーを押すと、元のパワーポイントの画面に戻ります。

スライドショー時の活用

スライドショー実行の際に、ペンで線を描いたり、スライドの順番をジャンプすることができます。

■ペンを使って話にアクセントを付ける

スライドショーの再生時に、スライドの中に文字を表示させたり、ポイントを強調するために丸などの線を描くことができます。
スライド再生時に左下のペンの形のアイコンをクリックすると、ペンの種類が3つあり、そのペンの色も変更できることができます。

①  2枚目のスライドを再生させて、フェルトペンを選択します。

②  強調したい部分でマウスで線を引いたり、グルグルと円を描きます。

③  描いた線などを消したい場合は、再度ペンのアイコンをクリックして、[スライド上のインクをすべて消去]か[消しゴム]をクリックします。

[スライド上のインクをすべて消去]・・スライド内のすべての線を消したい場合

[消しゴム]・・特定の部分だけを消したい場合、ドラッグ操作で消していく

また、ペンから元の矢印ポインタに変える時は、Escキーを押します。

■スライドショーを途中で止める

スライドショーの実行途中に、スライドショーを止める時は、Escキーを押します。

①  Escキーを押します。

②  もし、ペンで線などを描いている場合は、その描いた線を保持するか、破棄するかのメッセージが表示されます。ここでは、[破棄]ボタンを押します。

[保持]ボタンをクリックすると、描いた線の状態を記憶しておくので、再びこのスライドショーを実行した場合は、線が描かれた状態で表示されます。
[破棄]ボタンをクリックすると、描かれた線は記憶されませんので、次の再生時には前に描かれた線は表示されません。

■スライドの順番をジャンプさせる

スライドを再生中に、前のページにジャンプしたり、一気に離れているスライドに移動して表示させることができます。

①  スライドショーを最初から再生します。

②  キーボード操作で、5キーを押して、Enterキーを押します。

③  最初のページから一気に5ページ目にジャンプして表示されます。

この操作では、後ろのページや前のページに自由にジャンプできます。進みたいページ番号をキーで押して、Enterキーを押す方法は非常に有効です。

スライドの印刷

パワーポイントでの印刷では、印刷対象として「スライド」、「配布資料」、「ノート」、「アウトライン表示」モードが用意されています。

スライド:
スライド1枚につき印刷を行えます。作成したプレゼンテーション作品を紙ベースで保存、提出する際に利用します。
配布資料:
聞き手に渡す資料として印刷を行えます。スライド1枚、3枚、6枚、9枚ごとに印刷できます。
ノート:
ノートペインに記述した文章を印刷できます。読み手が発表時に見ながらポイントを確認できる印刷物として利用します。
アウトライン表示:
アウトラインで表示されている文字を印刷できます。プレゼンテーションの流れを把握するために、あらかじめ印刷しておくと便利です。

印刷プレビューで確認

どのアプリケーションでも同じことが言えますが、作成したものをすぐに印刷することはしません。印刷する前に、印刷イメージを確認して、問題がなければ印刷します。紙やインクの無駄を省くために、印刷時に必ず確認するのが「印刷プレビュー」です。

①  メニュー[ファイル]をクリックして、[印刷プレビュー]を選択します。

②  画面が印刷プレビューに切り替わります。印刷対象が「スライド」になっていることを確認します。

③  スライド1枚ごとに印刷をする場合、通常は周りの余白が広く取られています。そこで、用紙に合わせて印刷すると、余白を少なくしてスライドを最大限に大きくして印刷できます。
[オプション]ボタンをクリックして、[用紙に合わせて拡大/縮小]をクリックします。

④  スライドが用紙に合わされて拡大されます。ただし、紙サイズやプリンタなどの環境が異なると、スライドの印刷限界が変わります。

配布資料でプレビュー

印刷対象を配布資料(3スライド/ページ)に設定して、印刷イメージを確認します。

①  印刷対象の▼ボタンをクリックして、「配布資料(3スライド/ページ)」を選択します。

②  1ページに3枚のスライドが印刷されるイメージになります。この「配布資料(3スライド/ページ)」だけ、右側に文字を書けるような罫線が引かれます。その他の配布資料には、この罫線は引かれません。


スライドの数が多い場合は、1枚に印刷されるスライド数を多くすることで配布資料のページ枚数を少なくすることができます。
配布資料は、聞き手が現在発表されているスライドが何番目であるか、どのような順序で発表されるかを確認するためのものです。ただ、資料1枚のスライドの数が多いとスライド内の文字は読みづらいことも考慮して、配布するかしないかを決めた方が良いでしょう。

ページ設定の変更

通常、スライドの大きさは、画面の大きさに合わせて設定されています。既定値の印刷はA4横サイズですが、この大きさを自由に変えて特殊サイズの用紙への出力もできます。また、いつもスクリーンに沿った大きさではなく、あえて幅を狭めに取るような特殊効果も表現できます。

※印刷プレビュー画面であれば、元の標準画面に切り替えておきます。

①  メニュー[ファイル]-[ページ設定]を選択します。

②  [ページ設定]ダイアログボックスが表示されます。[スライドのサイズ設定]を「ユーザー設定」に切り替えます。後は、任意に幅と高さを指定します。[OK]ボタンをクリックします。

③  指定した高さと幅に応じたスライドになります。通常、スライドは横方向ですが、縦方向のスライドも実現できます。

印刷の実行

印刷イメージで確認して、特に問題なければ印刷を実行します。印刷ダイアログボックスでも、いろいろな設定ができます。以下に、設定項目を記述します。

印刷範囲
・すべて:スライドすべてを印刷します。
・現在のスライド:標準モードで表示されているスライドのみを印刷します。
・選択したスライド:選択しているスライドをすべて印刷します。
・目的別スライドショー:目的別のスライドショーを作成している場合、そのスライドショーの名前を選択すると、そのスライドショーで使用するスライドだけが印刷されます。
・スライド指定:印刷したいスライドの番号を入力すると、そのスライドのみが印刷されます。
印刷対象
スライド、配布資料、ノート、アウトライン表示のどれかを指定します。
配布資料
印刷対象が配布資料を選択された時のみ利用できます。1ページ当たりのスライドの
枚数、そして、4枚以上であれば横方向へ昇順か、または縦方向へ昇順かを指定できます。
カラー/グレースケール
カラー、グレースケール、単純白黒のどれかを指定します。カラー印刷であれば、カラーですが、モノクロの場合はグレースケールか単純白黒のどちらかを選びます。
違いは、オブジェクトの枠線を非表示に設定していても線を表示したいときは単純白黒で、カラー表示そのものをモノクロにしたい場合はグレースケールにします。
印刷部数
印刷部数を指定します。
用紙サイズに合わせて印刷する
スライドを用紙サイズに合わせて拡大させて印刷させて、なるべく余白をなくすときに利用します。
スライドに枠を付けて印刷する
スライドに黒い枠線を付けて印刷します。
コメントおよびインク注釈を印刷する
スライドに付けたコメントやスライドショーで使ったインクの描画を印刷したい時に利用します。コメントやインク注釈がなければ、利用不可となりグレー表示になります。

印刷を実行するには、[印刷]ダイアログボックスの[OK]ボタンをクリックすると印刷が始まります。部数が多い場合は、まず試し刷りを行い、印刷されたものに目を通して、問題なければ残りの部数を印刷するように心がけましょう。

あとがき

昨今、「人前で説明する」という機会が多くなってきています。これは、資料(紙ベース)だけで相手に伝える方法より、相手の目を見て、直接耳に届けることで、より効果的に理解や同意を得ることができるからです。

企業などでは、パワーポイントをビジネスのツール(道具)として使いこなせる人材を育成していると言われています。また、パワーポイントを使えることだけでなく、聞き手や発表場所の情報などを収集して、それらの情報も考慮しながら発表のストーリーを考える能力も必要です。さらには、コミュニケーションをうまく行える話術やマナーも身につけておくことも重要です。パワーポイントは、単なるプレゼンテーションの道具ですので、うまくプレゼンテーション作品を作っても、発表する方の話し方やマナー(態度)如何によっては、逆効果にもなりかねません。そこで、パワーポイントを作った後には、必ずリハーサルを行うことをお勧めします。以下の要件でリハーサルを行うと良いです。

  • 発表の場と同じ環境を作る
  • 聞き手になってくれる方を用意する
  • 発表時間内に終わるかを確認する
  • 質問されてもそれを説明できるか確認する
  • 発表態度や癖を指摘してもらう

プレゼンテーションを成功させるコツは、個人の話術とパワーポイントで作成した作品をうまく組み合わせることです。何事にも言えることですが、「習うより慣れろ」精神で活用されることをお勧めします。

【プレゼンテーション用スライドを作ろう】