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ネットワーク

第6幕

今回はLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)についての会話です。LANには、さまざまな規格(方式)がありますが、ボーノ先生は家庭内LANを取り上げて説明しているようです。聞いてみましょう。

「さて、この前約束していたLANについて話そうかな。」


「はい。よろしく~~~。」


「LANは、同じ建物、敷地内で繋がっているネットワークだよね。」


「そうですね。自宅や会社のパソコンはLANというネットワークになるんでしたね。」


「LANは、誰にでも簡単に作れるから、まずはその構成要素から話してみようかな。」


「構成要素とは、LANにはどのようなものが必要かだということですね。」


「うん、そうだね。LANを作るというより、単純にネットワークを作ると考えてもいいよ。」


「じゃあ、私たちが通常ネットワークと表現しているものは、LANだということですね。」


「僕らにもっとも身近なネットワークがLANだからね。そう思っていいよ。」


「それでは、LANを作ることができれば、ネットワークの仕組みも分かるということですね。」


「そう、ではどんなものが必要かを説明しよう。」


「ちょっと待って、メモ取りますから、ゆっくりとね。」


「了解。LANを作るにはいくつか必要なものがあるよ。まず、ホスト。」


「ホスト?イケメンの人が作るんですか?」


「ホストとは、パソコンのことだよ。」


「(・・・・・汗)」


「ネットワークにつながっているパソコン(コンピュータ)を『ホスト』と呼ぶんだ。」


「じゃ~、次はホストを繋ぐための線がいりますね。」


「線のことをケーブルというよね。LANで使うケーブルだから『LANケーブル』というよ。でも、無線でもホストを繋ぐことができるよね。」

「そうですね。最近は無線のネットワークが普及しているようですし。」


「ホストを繋ぐ媒体(LANケーブルや無線など)を総称して『伝送媒体』というんだ。」


「難しそうな名前ですね。漢字にすると堅苦しく感じますね。」


「次に、伝送媒体とパソコンが繋がっている箇所も必要だね。」


「例えば、LANケーブルをパソコンのどこに繋げるかということですか?」


「そうだよ。」


「分かっていますよ。パソコンの側面や背面にある穴でしょう。」


「その穴の実体は、『NIC』(ネットワーク・インターフェイス・カード)なんだよ。パソコンとLANケーブル、無線を仲介するための装置なんだ。これはネットワークでは、重要な装置だよ。これがないと、パソコンのネットワークの土台が作れないから、通信できないよ。」

「NICは『ニック』と呼ぶんですか。」


「うん。他にはネットワークアダプタ、ネットワークボード、単にアダプタなどとも呼ばれるよ。」


「他に何が必要ですか?」


「じゃ~ね。ナーニちゃん。2台のホスト同士を繋ぐのであれば、1本のケーブルでいいよね。3台あったら、どのように繋ぐかな?」

「う~ん。NICを追加するのかな。」


「NICを追加してもいいけど、10台と通信するなら10個のNICを10台とも設置しないとだめだし、お金がかかるよね。」


「LANって安価で作れるというものだから、NICは追加しない方がいいですね。」


「そうだね。そのために『ネットワーキングデバイス』という装置があるんだ。」


「今度は長い名前だ~。」


「簡単な名前なら、中継装置とか、ハブとか。」


「ハブ。ちょっとそれは怖い名前。」


「ハブは『HUB』と書くから、ニョロニョロではないよ。」


「そんなの分かってま~~す。(笑)」


「ハブは、複数のホストのケーブルを1つの装置にまとめることができるので、『集線装置』と言うよ。だから、ホストが10台あるなら、10個の穴のあいたハブを買えばいいんだ。本当は、10個以上必要だけどね。」

「穴って言ってますが、本当の名称ってあるのですか?」


「ケーブルを差し込むような穴のことを『ポート』という。例えば、ハブに8個の穴がある場合は、8ポートのハブと言うよ。」

「他にLANを作るには必要なものがありますか。」


「これまで説明した、ホスト、伝送媒体、NIC、ネットワーキングデバイス(中継装置)は、すべてハードウェアだね。」


「ほんとだ。じゃ~、ネットワークに必要なソフトがいるということですね。」


「あたり!それを『ネットワークOS』と言うんだよ。」


「OSって、WindowsやMacのほかにもOSが必要なんですか。」


「いやいや、そうではなくて、WindowsやMacはネットワークOSの一つだよ。ナーニちゃんの使っているWindowsは、最初からネットワークOSの機能を持っているんだよ。」

「なんだ~。別個にまたOSを買うと思っちゃった。」


「NICも、だいたいはパソコンを買ったときに付いてきているよね。だから、実際に購入するのは、伝送媒体とネットワーキングデバイスぐらいかな。もし、無線LAN機能を持ったホストなら、ほとんど買う物ってないかな。もちろん、親無線の装置はいるけどね。」

「こうしてみると、2台ぐらいのネットワークならお金があまりかかりませんよね。」


「それに、最近のパソコンでは、ケーブルを繋ぐだけで、ネットワークが使えるように自動設定になっているからね。」


「手間いらずですね。」


「だろ。でも、一旦通信できなくなったら、どこを調べてよいか分からないのが欠点かな。」


「自動設定だと、どこをいじってよいかも分かりませんしね。」


「これからしっかりとネットワークを学習すると分かるようになるよ。」


「先生。お願いしますね。」


「ナーニちゃん。『これからしっかりと勉強します!』と宣言しなさい。」


「はい。宣誓!」


「うまくボケれたね。(笑)」


LANに必要なものが分かったでしょうか。簡単に整理してみましょう。(表を参照)

LANに必要なもの 説明
ホスト パソコン、コンピュータのこと。
伝送媒体 LANケーブルや無線、赤外線など。ホストとホストを繋ぐ道具となる。
NIC ホストとLANケーブルを仲介する装置。
ネットワーキングデバイス 複数のホストを繋ぐ場合に必要な装置。
中継装置とも呼ばれ、さまざまな中継装置が用意されている。
ネットワークOS Windows、Mac、LinuxなどのOSは、ネットワークOSとしても機能を持っている。

LANの構成要素と言われるものは以上のようなものです。お馴染のものばかりだと思います。
ネットワーキングデバイスには、リピータ、ブリッジ、スイッチ、ルータのような種類があります。それぞれ使う用途が異なりますが、最近の家庭、企業内の中継装置は、スイッチとルータが主流です。
スイッチは、LAN内のホストを繋ぐ装置で、ルータはLANとLAN、LANとインターネットを繋ぐときに必要な装置です。家庭用のルータはポートが数個あるので、4台ぐらいのパソコンであれば、ルータだけでLAN内のホストを繋げて、さらにインターネットにも繋ぐことができます。

【第6幕:LANの構成】