今回はLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)についての会話です。LANには、さまざまな規格(方式)がありますが、ボーノ先生は家庭内LANを取り上げて説明しているようです。聞いてみましょう。
「さて、この前約束していたLANについて話そうかな。」
「はい。よろしく~~~。」
「LANは、同じ建物、敷地内で繋がっているネットワークだよね。」
「そうですね。自宅や会社のパソコンはLANというネットワークになるんでしたね。」
「LANは、誰にでも簡単に作れるから、まずはその構成要素から話してみようかな。」
「構成要素とは、LANにはどのようなものが必要かだということですね。」
「うん、そうだね。LANを作るというより、単純にネットワークを作ると考えてもいいよ。」
「じゃあ、私たちが通常ネットワークと表現しているものは、LANだということですね。」
「僕らにもっとも身近なネットワークがLANだからね。そう思っていいよ。」
「それでは、LANを作ることができれば、ネットワークの仕組みも分かるということですね。」
「そう、ではどんなものが必要かを説明しよう。」
「ちょっと待って、メモ取りますから、ゆっくりとね。」
「了解。LANを作るにはいくつか必要なものがあるよ。まず、ホスト。」
「ホスト?イケメンの人が作るんですか?」
「ホストとは、パソコンのことだよ。」
「(・・・・・汗)」
「ネットワークにつながっているパソコン(コンピュータ)を『ホスト』と呼ぶんだ。」
「じゃ~、次はホストを繋ぐための線がいりますね。」
「線のことをケーブルというよね。LANで使うケーブルだから『LANケーブル』というよ。でも、無線でもホストを繋ぐことができるよね。」
「そうですね。最近は無線のネットワークが普及しているようですし。」
「ホストを繋ぐ媒体(LANケーブルや無線など)を総称して『伝送媒体』というんだ。」
「難しそうな名前ですね。漢字にすると堅苦しく感じますね。」
「次に、伝送媒体とパソコンが繋がっている箇所も必要だね。」
「例えば、LANケーブルをパソコンのどこに繋げるかということですか?」
「そうだよ。」
「分かっていますよ。パソコンの側面や背面にある穴でしょう。」
「その穴の実体は、『NIC』(ネットワーク・インターフェイス・カード)なんだよ。パソコンとLANケーブル、無線を仲介するための装置なんだ。これはネットワークでは、重要な装置だよ。これがないと、パソコンのネットワークの土台が作れないから、通信できないよ。」
「NICは『ニック』と呼ぶんですか。」
「うん。他にはネットワークアダプタ、ネットワークボード、単にアダプタなどとも呼ばれるよ。」
「他に何が必要ですか?」
「じゃ~ね。ナーニちゃん。2台のホスト同士を繋ぐのであれば、1本のケーブルでいいよね。3台あったら、どのように繋ぐかな?」
「う~ん。NICを追加するのかな。」
「NICを追加してもいいけど、10台と通信するなら10個のNICを10台とも設置しないとだめだし、お金がかかるよね。」
「LANって安価で作れるというものだから、NICは追加しない方がいいですね。」
「そうだね。そのために『ネットワーキングデバイス』という装置があるんだ。」
「今度は長い名前だ~。」
「簡単な名前なら、中継装置とか、ハブとか。」
「ハブ。ちょっとそれは怖い名前。」
「ハブは『HUB』と書くから、ニョロニョロではないよ。」
「そんなの分かってま~~す。(笑)」
「ハブは、複数のホストのケーブルを1つの装置にまとめることができるので、『集線装置』と言うよ。だから、ホストが10台あるなら、10個の穴のあいたハブを買えばいいんだ。本当は、10個以上必要だけどね。」
「穴って言ってますが、本当の名称ってあるのですか?」
「ケーブルを差し込むような穴のことを『ポート』という。例えば、ハブに8個の穴がある場合は、8ポートのハブと言うよ。」
「他にLANを作るには必要なものがありますか。」
「これまで説明した、ホスト、伝送媒体、NIC、ネットワーキングデバイス(中継装置)は、すべてハードウェアだね。」
「ほんとだ。じゃ~、ネットワークに必要なソフトがいるということですね。」
「あたり!それを『ネットワークOS』と言うんだよ。」
「OSって、WindowsやMacのほかにもOSが必要なんですか。」
「いやいや、そうではなくて、WindowsやMacはネットワークOSの一つだよ。ナーニちゃんの使っているWindowsは、最初からネットワークOSの機能を持っているんだよ。」
「なんだ~。別個にまたOSを買うと思っちゃった。」
「NICも、だいたいはパソコンを買ったときに付いてきているよね。だから、実際に購入するのは、伝送媒体とネットワーキングデバイスぐらいかな。もし、無線LAN機能を持ったホストなら、ほとんど買う物ってないかな。もちろん、親無線の装置はいるけどね。」
「こうしてみると、2台ぐらいのネットワークならお金があまりかかりませんよね。」
「それに、最近のパソコンでは、ケーブルを繋ぐだけで、ネットワークが使えるように自動設定になっているからね。」
「手間いらずですね。」
「だろ。でも、一旦通信できなくなったら、どこを調べてよいか分からないのが欠点かな。」
「自動設定だと、どこをいじってよいかも分かりませんしね。」
「これからしっかりとネットワークを学習すると分かるようになるよ。」
「先生。お願いしますね。」
「ナーニちゃん。『これからしっかりと勉強します!』と宣言しなさい。」
「はい。宣誓!」
「うまくボケれたね。(笑)」
LANに必要なものが分かったでしょうか。簡単に整理してみましょう。(表を参照)
LANに必要なもの | 説明 |
---|---|
ホスト | パソコン、コンピュータのこと。 |
伝送媒体 | LANケーブルや無線、赤外線など。ホストとホストを繋ぐ道具となる。 |
NIC | ホストとLANケーブルを仲介する装置。 |
ネットワーキングデバイス | 複数のホストを繋ぐ場合に必要な装置。 中継装置とも呼ばれ、さまざまな中継装置が用意されている。 |
ネットワークOS | Windows、Mac、LinuxなどのOSは、ネットワークOSとしても機能を持っている。 |
LANの構成要素と言われるものは以上のようなものです。お馴染のものばかりだと思います。
ネットワーキングデバイスには、リピータ、ブリッジ、スイッチ、ルータのような種類があります。それぞれ使う用途が異なりますが、最近の家庭、企業内の中継装置は、スイッチとルータが主流です。
スイッチは、LAN内のホストを繋ぐ装置で、ルータはLANとLAN、LANとインターネットを繋ぐときに必要な装置です。家庭用のルータはポートが数個あるので、4台ぐらいのパソコンであれば、ルータだけでLAN内のホストを繋げて、さらにインターネットにも繋ぐことができます。
【第6幕:LANの構成】