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Access

Accessの概要

アクセスの扱い方

職場内に設置されているパソコンの中に「Access」というソフトを見たことはあるが、使ったことがない人は案外多いものです。Excelは表計算、Wordは文書作成としての認知度が高いので、PC活用で特に利用範囲が広く、現在ではなくてはならないアプリケーションソフトとなっています。しかし、Accessは「何のソフト?」、「どんな時に使うの?」という人がまだまだ多いようです。
Excel、WordとAccessの大きな違いは、Accessは使う前に“設計とそれに基づくオブジェクトの作成”から始めます。

※ Accessで呼ばれるオブジェクトとは、備わっている”機能”のことを表し、単に機能画面と考えると理解しやすいでしょう。オブジェクトについては、冊子全般で詳しく紹介しております。

使う前に「作る」という作業が必要となり、まったく初めての方には大きな壁となります。簡単な概要表現をすると、情報(データ)を蓄積していき、それを利用して仕事で使えるシステムを作るソフトなので、数時間で仕上げられるようなものでありません。ただ言えることは、使いこなせると非常に重宝なソフトで、仕事における大きな武器(道具)になります。

Accessでできること

Accessは"データベースソフト"の一種になります。では「データベースとは?」と思い、なんだか難しいイメージを持つ人も多いでしょう。
簡単に説明すると「これから蓄積(収集)したり、すでに蓄積された情報(データ)を整理・加工をして、再利用するための道具」がデータベースとなります。紙ベースであれば、顧客名簿、商品一覧表、電話帳などもデータベースと言えます。
例えば、お得様の「田中 一郎」さんの住所を調べたいとします。単純にただ顧客情報を書きとめただけのものであれば、見つけ出すのに手間と時間がかかります。しかし、五十音順に整理して書きとめておけば、「た行」を調べればすぐに探し出せるはずです。顧客の数が増えてくると、データの数も比例して増えてきます。紙ベースで作業を行なうより、これら情報をパソコン内で処理できるシステム、つまりデータベースがあれば、例え100万人の情報があったとしても、数秒で特定のデータを探し出すことができます。大事なことは、データを単に集めるだけでは意味がないということで、蓄積されたデータをどのように利用するかです。仕事場でデータベースをうまく活用できれば、業績アップにもつながりますし、業務の合理化にも貢献できます。

Accessは1つのアプリケーションの中に、データベースを担う機能がほとんど入っていて、しかもまったく初めての方でも簡単にデータベースが設計できるように工夫されています。

データベースの種類

データベースを分けていくと、個人向けとしてAccess、FileMakerがあります。また、商用向けにはOracle、Microsoft SQL Server、そして、オープンソースにはInterbase、MySQL、PostgreSQLなどがあります。
このようなデータベースは、システムの規模、構成、ユーザ数、開発コスト、開発言語などを考慮したうえで、最適なものを選択します。初心者にとって、いろいろなプログラムを学習する必要もあり、トラブルが発生した時には、どの情報が原因なのか、またはソフト自体の原因なのかといった、幅広い知識と経験がなければ解決できません。

Accessは、操作画面、データ管理、印刷設定など大体の機能を持ち合わせていますので、初心者でも簡単にデータベースを設計することができ、トラブルが発生しても原因が特定しやすいメリットがあります。

リレーショナルデータベースとは

データベースと言ってもたくさんの種類があります。Accessはそれらデータベースの中の、"リレーショナルデータベース"に属しています。リレーショナル(Relational)は「関係を示す」という意味で、別名RDB(Relational Data Base)とも呼びます。

リレーショナルデータベースは、データを縦横の表(列と行)で管理を行い、複数の表を関連付けて運用します。関連付けられた表のデータは、結合や抽出が簡単にできるので、最もポピュラーなデータベースです。
整理して表現すると、各表に関連付けるための列を用意して、データをできる限り分割して管理します。リレーショナルデータベースで扱う表は、以下の要件を満たすものです。

  • それぞれの表に関連付けのための列を用意する。(フィールド)
  • データを出来るだけ分割して管理する。
  項目1 項目2 項目3
 行1  データ11 データ12 データ13
行2 データ21 データ22 データ23
行3 データ31 データ32 データ33

リレーショナルデータベースでは、すべてのデータを表という形式で格納します。表とは、同一形式の繰り返しデータの集まりで、項目(カラム、フィールド)と型を持っています。各データの最小単位をレコードと呼び、表の中では行で表されます。

この方法により、同じデータを入力する手間や、入力ミスを防げます。そして、関連付けて表を結合することで、目的のデータを簡単に抽出できます。また、目的のデータだけを抽出して表示しますので、エクセルに較べて効率良く、データが壊れ難いというメリットがあります。

Accessの使い方

Accessには主に次の機能があります。これらの機能を"オブジェクト"と呼び、7つのオブジェクトで構成されています。

  • テーブル(データの保存場所)
  • クエリ(データの抽出、集計、結合など)
  • フォーム(データの入力、表示)
  • レポート(表示、印刷)
  • ページ(ホームページ利用)
  • マクロ(操作の自動化)
  • モジュール(マクロではできない自由な自動化を実現させる)

一般にテーブルクエリフォームレポートの4つのオブジェクトを習得するだけで、ほとんどの業務システムは作成できます。

データベースのオブジェクト