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Access

サンプルデータを眺める

Accessを学習する場合、すぐに新規作成から脈絡のないものを作ることはしません。テーブルやクエリとはどういうものであるか、どのように作りこむかを知る必要があります。そこで、実際に完成されているデータベースを眺めてみることで、様々なことが理解できます。ここでは、Accessに付属している、Northwind.mdbというサンプルを眺めてみることにします。

※ Access 2007では、Accessを起動させて、[テンプレートカテゴリ]の「ローカル テンプレート]-「ノースウィンド 2007」を選択して、[作成]ボタンをクリックします。このページでは、Access 2003からのテンプレートを説明していますので、少しデータ内容が異なります。

Accessのバージョンによってサンプルデータがない場合がありますので、ここでは用意されている「sample.mdb」を使用します。

サンプルデータを開くと、まず表示されるのが左端の"ナビゲーションバー"です。各オブジェクトの下側に作成されているオブジェクトが表示され、オブジェクト名の上でダブルクリックすると、右側に選択したオブジェクトが展開されて表示されます。

テーブルを見てみることにします。オブジェクトバーの「テーブル」を表示させ、「社員」テーブルをダブルクリックします。
「社員」テーブル内のデータ一覧が表示されます。(下図)

最初に作成するオブジェクトが「テーブル」です。クエリ、フォーム、レポートは、このテーブル内のデータを扱うためのオブジェクトなので、テーブルがないと作成できません。

テーブルとは「表」のことです。表の横一列を"レコード"と呼び、各レコードは"フィールド"から構成されています。「社員」テーブルの各レコードは、「社員コード」、「フリガナ」、「氏名」、「在籍支社」、「部署名」などのフィールド(列)で構成されていて、フィールド名(列名)が表の上部に表示されています。
また、テーブルウィンドウの下部にボタンが表示されています。これはレコード移動用のボタンで、前のレコード、後ろのレコード、最後のレコード、先頭のレコードに移動するために使用します。また、一番右側のボタンは新規レコードボタンで、クリックすると、最後尾の空白レコードにカーソルが点滅して、新規入力可能な状態になります。

テーブルの基本構成は以上ですが、データが一覧表示されるビュー(表示方法)を"データシートビュー"を呼びます。
ツールバーの「表示」ボタンをクリックします。

「表示」ボタンが変化したことを確認します。この表示ボタンは、クリックするごとに“デザインビュー”、“データシートビュー”に切り替わります。

どのオブジェクトにも"構造"と"データ表示"のビューがあり、切り替えながらオブジェクトを作成していきます。オブジェクト本体の構造(設計)表示の時には"デザインビュー"、実データ表示の時には"データシートビュー"で確認します。ただ、フォームとレポートのデータ表示の時には、それぞれ"フォームビュー"、"印刷プレビュー"という呼び名になります。(※オブジェクトによって、その他にもいろいろなビューが用意されています。)

デザインビュー画面で、各フィールド名をクリックすると、下部に「フィールドプロパティ」が表示されます。

フィールドには、「データ型」が設定されています。この「社員」テーブルの大半は、「テキスト型」になっていますが、各フィールド名のフィールドプロパティの"フィールドサイズ"の値を見るとが少しずつ異なってます。
このフィールドサイズは、テーブルの設計段階で決めておく必要があり、小さすぎても大きすぎてもいけません。例えば、「氏名」フィールドのフィールドサイズを「10」と設定すると、人の名前が半角で「10」までしか入力できなくなり、不都合が生じます。逆に、「100」に設定すると名前の長さには問題ないですが、無駄なデータ領域が確保されてしまい、データベースの無駄な肥大化を招き、さらにレコードへのアクセス速度の遅延を招く恐れがあります。

※ フィールドサイズを不必要に大きくすると、その大きさのデータを保存するだけのメモリを確保します。不要なメモリを確保することによって、データベース自身のサイズが肥大化し、データ表示に時間がかかってしまいます。

フィールドプロパティは、さまざまな制限事項や細かな設定を行うことができます。すべての項目(プロパティ)を設定する必要はありませんが、入力の効率アップや表示形式を求める場合に必要な項目のみ設定しておくと良いでしょう。

フィールドの一番上の「社員コード」に注目すると、左端に小さな鍵のマークが付いています。リレーショナルデータベースのテーブルでは、レコードを一意に指定するために「主キー(primary key)」をいずれかのフィールドに設定する必要があります。社員コードは、重複することのない、社員を特定できる番号ですので、このテーブルでは「社員コード」に主キーを設定しています。もし、主キーが設定できないような場合は、一意が特定できるフィールドを追加します。もし、データが番号(数値)であれば自動的に順番にレコードに番号を振られるようにすることもできます。

次の操作のために、「sample.mdb」は閉じておきます。