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Access

売上管理データベースの作成

マクロの作成1

マクロとは、複数の処理を連続で実行する機能です。「ワンクリックで自動処理される機能」と言えます。

マクロの実際の中身は、"VBA(Visual Basic Application)"というプログラミング言語から成り立ちますが、プログラミングのことを知らない方でも簡単に作る事ができるように工夫されています。

マクロは、「マクロウィンドウ」で作成します。マクロウィンドウとは、マクロのデザインビュー画面になります。
マクロウィンドウは、マクロ名、条件、アクション、コメント、そしてアクションの引数で構成されます。新規で作成したときは、アクション、コメント、アクションの引数のみが表示されます。

マクロ名、条件は必要な時に、ツールバーのボタンを使って表示させます。
"アクション"とは、いわゆる「命令文(コマンド)」のことで、「テーブルを開く」、「フォームを開く」などの処理にあたります。

マクロアクションの種類

アクションの種類の中でよく利用されるものは以下の様なアクション名です。

アクション名機 能コマンド名
フォームを開く引数で指定したフォームを開きますOpenForm
レポートを開く引数で指定したレポートを開きますOpenReport
閉じる引数で指定したオブジェクトを閉じますClose
値の代入フィールドやコントロールなどの値を代入するSetValue
メッセージボックス警告や情報表示のためのメッセージを表示しますMsgBox
イベントとは

Accessのマクロを学習する際、作ったマクロを関連付けさせる“イベント”を理解しておく必要があります。
マウスによる操作やキー操作、データの更新など、オブジェクトによって認識される出来事(きっかけ)で、その応答手段が設定できる操作を"イベント"といいます。(※ 簡単に言うと、マクロを実行するきっかけの事です。)

Accessでは、プログラミングが分からない人のためにあらかじめイベントが用意されています。用意されている主なイベントには次のようなものがあります。

フォームやレポートのイベント

  • フォームを開くとき
  • レポートを開くとき
  • レコードを移動するとき

コントロールのイベント

  • コントロールのフォーカスを取得したとき
  • コントロールのフォーカスを喪失したとき
  • データが更新されたとき

イベントへのマクロ割り当て方法

イベントにマクロを割り当てると、フォームやコントロールなどでそのイベントが発生したときに、それに応じたマクロを実行させることができます。例えば、フォームを開いた時にメッセージを表示させたり、ボタンをクリックした時に、他のフォームやレポートを開くことができます。

マクロをイベントに割り当てるには次の2通りあります。

■ あらかじめ作成したマクロをイベントに割り当てる
マクロビルダでマクロを作成した後に、フォームやレポートのプロパティウィンドウの[イベント]タブの目的のイベントに実行させたいマクロ名を割り当てます。
■ イベントからマクロビルダを選択してマクロを作成する
フォームまたはレポートのプロパティ画面の[イベント]タブの目的のイベントのビルドボタンをクリックし、[マクロビルダ]からマクロを作成します。
プロパティシートのイベントタブ

マクロと各コントロールの「イベント」タブのプロパティはセットで設定するものだと覚えておくと良いでしょう。
また、一般的にマクロの実行は"ボタン"をクリックする動作が最も利用されますので、フォーム上にボタンを作成して、そのボタンのイベントプロパティに設定することになります。(※ ボタンとは、コマンドボタンのことです。)

M売上メイン用マクロの作成

マクロオブジェクトを1つ作成して、その中に「顧客情報の追加削除」と「商品情報の追加削除」というマクロを作成します。

① [作成]タブを選択して、[その他]-[マクロ]ボタンをクリックします。

② マクロウィンドウが表示されます。
[マクロツール]-[デザイン]-[表示/非表示]-[マクロ名]ボタンをクリックします。

ここでは、[引数]の列は使用しませんので、[引数]ボタンをクリックして、[引数]の列は非表示にしておきます。

③ 1行目の「マクロ名」セルに「顧客情報の追加削除」と入力して、右側の[アクション]セルは、表示される一覧から「フォームを開く」を選択します。

マクロ名とアクションの設定

④ [アクションの引数]プロパティの[フォーム名]に「F新規顧客情報の追加」を設定します。また、[データモード]は「編集」を設定します。

アクションの引数の設定

⑤ 3行目の[マクロ名]セルに「商品情報の追加削除」と入力して、[アクション]セルに「フォームを開く」を設定します。
[アクションの引数]プロパティの[フォーム名]は「F商品の追加と削除」を設定します。

※ マクロを1つのマクロオブジェクト名の中で複数作成する場合は、1行空けてマクロを作成するほうが、後から見直すときに管理し易くなります。

マクロの追加入力

⑥ 名前を付けて保存します。F12キーを押して、[マクロ名]に「M売上メイン用」と入力して[OK]ボタンをクリックします。

名前を付けて保存

作成した[M売上メイン用]マクロは、「F売上メイン」フォーム内のボタンで実行させるために作成したものです。2つのマクロを作ったので、2つのボタンを用意する必要があります。

次に、「F売上メイン」フォームに2つのボタンを作成して、作成したボタンにマクロを割り当てる作業に移ります。

F売上メインフォームの編集

[F売上メイン]フォームを中心に操作出来るように、フォームのレイアウトを編集をしていきます。下の図の完成したフォームになるように編集していきます。

各ボタンを右側に配置して、フォームやレポートを表示させます。フォームヘッダーには、タイトルと売上日で抽出できるような仕組みを作成します。
他にもデザイン的な要素も含めていますが、ユーザ自身の好みもありますので、参考程度にしてください。

コマンドボタン領域の作成

フォームの右側の領域を広く確保して、ボタンと説明書きを作成します。1つのボタンと説明書きを作成して、後はコピーして、それらを編集していくと手間が省かれ、ボタンの大きさも統一できます。また、ラベルでボタン類のタイトルと線を引いて、デザインを引き締めます。


① [F売上メイン]フォームをデザインビューで開きます。

② プロパティシートが開いていたら一旦閉じて、作業をしやすくします。

③ [フォームデザインツール]-[デザイン]タブを選択します。
[コントロール]-[四角形]ボタンをクリックして、空いたスペースに四角形を描きます。下図を参考にしてください。

四角形の作成

④ 作成した四角形のプロパティシートを表示します。
[書式]タブの[背景色]プロパティをクリックし、表示されるビルドボタンをクリックします。
表示される色のパレットから[Accessテーマの色]の「Accessテーマ1」をクリックします。

背景色の指定

四角形の背景色が変わったことが確認できます。
これで、ボタン領域の完成です。次に、ラベルとボタンを作成します。

ラベルとコマンドボタン類の作成

四角形内にラベルとコマンドボタンを作成します。


① まず、ラベルを作成します。
[コントロール]-[ラベル]ボタンをクリックして、四角形の上でクリックし、「設定」と入力します。文字に[太字]を設定します。
さらに、[直線]ボタンをクリックして、ラベルの下側に横方向へ直線を引きます。また、線の色は「黒」を指定します。(図を参考にしてください。)

直線

② コマンドボタンを1つ作り、その右側に説明書きとなるラベルを作成します。
[ツールボックス]ツールバーから[コマンド ボタン]ボタンをクリックして、ドラッグしてボタンを作成します。また、その右側に[ラベル]ボタンを使って説明書き「新規売上登録」とします。

コマンドボタンとラベルの作成

③ コマンドボタンを選択し、プロパティシートを開きます。
[書式]タブを選択します。[ピクチャ]プロパティに「右方向」のイメージを設定して、[幅]と[高さ]プロパティに「0.6」と入力します。

※ 好みによって、文字の色や太字も設定してください。

書式タブでの設定

④ ラベルの文字サイズも「10」程度に設定します。コマンドボタンとラベルの位置関係も微調整します。

位置調整

⑤ 作成したコマンドボタンとラベルをコピーして、残り2つを作成します。
コマンドボタンとラベルを選択して、コピーした直後に2回貼り付けを行ないます。

※ Ctrl + C でコピーして、すぐに Ctrl + V の操作を2回続けます。

ラベルの方を「顧客情報の追加と削除」、「商品情報の追加と削除」に書き換えます。
「新規売上登録」コマンドボタンの[ピクチャ]プロパティを「新規へ」のイメージに変えておくと、ボタンの種類が違うことを意識できます。

複製操作

⑥ 次にレポート表示のためのボタンとラベルを作成します。

※ 先ほど作ったものをすべてコピーして、ボタンを必要なだけコピーすると、作成する手間が省けます。

今作成したラベルとコマンドボタンをすべて選択します。

選択

⑦ 先ほどと同じ要領でコピーして貼り付けします。
下側に同じものがコピーされます。

コピー

⑧ 一番下のコマンドボタンとその右側のラベルをコピーして、1つ増やします。

コマンドボタンとラベルの追加

⑨ 複製された全体を下に移動させ、それぞれのコマンドボタン、ラベルの標題を書き換えます。
図を参考にして書き換えてください。(※ [標題]とは、表示される文字のことです。)

書き換え

ラベルの左上隅に緑の三角が表示されます。これは、コマンドボタンとラベルの関連付けがされていないことを表しています。動作などには関係ないので、そのままの状態でかまいません。

これで、ボタン類は完成です。フォームビューにして確認してください。レイアウトがずれていたら、微調整をしておきます。