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Excel

編集と計算

計算方法を覚える

Excelは表計算ソフトですので、計算は得意分野です。しかし、使うユーザが効率的な計算方法を知らないと、Excelを利用する意味が半減してしまいます。ここでは、一番使用される"合計"を求める操作手順を行ないます。

まず、計算方法にはいくつかありますので、それから説明をしていきましょう。

電卓方式で計算する

[図C]を見てください。「D1」のセルに「A1」から「C1」までの数値を足した結果を表示するとします。計算式は、結果を表示したいセルに入れますので、「D1」を選択(アクティブセル)します。セル内に「=10+20+30」と入力します。そして、最後に確定のEnterキーを押すと、計算結果が表示されます。これは電卓と同じで、直接数値と演算記号を使って計算を行ないます。

この電卓方式であれば、手動ですべて入力する必要があり、しかも計算式も長くなります。よって、Excelではこのような電卓方式で計算を入れることはしません。

セル参照で計算する

Excelでは、セル内の数値を直接計算の対象にせず、セルそのものを計算の対象として扱います。
[図D]を見ると、「D1」セルには「=A1+B1+C1」と入力されています。もちろん、結果は電卓方式でやった結果と同じになります。もし、「A1」セルの数値を「10」から「20」に変更したとします。電卓方式では、計算式の中に直接「10」と書いていますので、計算式の中で「20」に編集する必要があります。しかし、セルを対象とした計算式であれば、「A1」セルの数値を変えた直後に再計算されて結果が表示されますので、計算式を書き換える必要がないです。
Excelでは、計算式はセル自体を指定して組み立てます。この方法を"セル参照"と呼びます。

ほとんどの場合、セルを参照した計算式で結果を表示させます。長所は、セル内のデータをいつ変更しても、すぐに再計算されることです。手入力でセル番地を書く必要はなく、マウスを使ってクリックするとセル番地が表示されますので、通常はマウスでセルを指定して、途中に演算記号をキーボードから手入力します。

関数を使って計算する

Excelには、すでに計算式が登録され"関数"が用意されています。関数を利用することによって、容易に計算を行なうことができます。

関数を使って計算式を入れる方法は、次のとおりです。まず、計算式を入力するセルを選択(①)します。[数式]タブ(②)を選択して、[関数ライブラリ]ブロック内の[オートSUM]ボタン(③)をクリックします。

SUM関数を使って計算

直後に「D1」セル内に「=SUM(A1:C1)」と表示されます。また、関数内のA1:C1が黒い背景になっていて、そのセル範囲の周囲が点滅していることに気が付きます。この意味は、"「A1」から「C1」までのセル内の数値を合計します"ということです。
自動的に計算の対象となるセル参照を行い、指定しなくても勝手にセルの範囲が指定されます。表の作り方によっては、セルの範囲が違うこともあります。その場合は、計算の対象となるセルをドラッグすると、ドラッグした範囲を計算の対象として認識しなおします。

関数で計算式を作るほうが、無駄もなく、簡単に修正できます。合計はSUM関数、平均はAVERAGE関数というように、計算の種類によって関数名が異なりますので、良く使用する関数名は覚える必要があります。

関数式の表記

[図D]の関数式の表記方法で説明すると、まず最初に必ず「=」(イコール)を入力します。次に関数名を半角のアルファベットで記述します。2007バージョンでは、最初の1文字目を入力すると登録されている関数が絞られ、2文字目を入れるとさらに絞られた状態で表示されます。(図E)
関数名を入力したら、次に「(」(カッコ)を入力します。カッコの中には"引数"を入力します。引数は、関数名によって異なります。SUM関数の引数は、合計の対象となるセルを指定します。[図D]の例を見ると、「A1」から「C1」までのセルの値を合計する時、引数は「(A1:C1)」、「(A1,B1,C1)」のどちらでも良いです。合計するセルが連続しているのであれば、「:」(コロン)を間に入れて表記します。
もし、A1からC1とE1のセルの値を合計したい時は、「(A1:C1,E1)」となります。

先ほども説明しましたが、関数名(関数の種類)によって引数の内容が異なります。AVERAGE関数(平均)、MAX 関数(最大値)、MIN関数(最小値)、COUNT関数(数値の個数)の引数は、SUM関数と同じで対象となるセルを指定します。
IF関数(条件による場合分け)は、引数は3つあります。
[図F]を見てください。引数の最初は"論理式"、次に"真の場合"、最後に"偽の場合"となっています。引数は頭から第1の引数、第2の引数・・・と表現しますので、第1の引数は論理式を書くことになります。

IF関数の表記

論理式で書かれていることが合っていれば、真の場合に書かれていることを実行します。異なれば偽の場合に書かれていることを実行します。真の場合、偽の場合に指定するものは、計算式でも文字列でもかまいません。図の例では、70以上だと「合格」、そうでなければ「不合格」という文字列を表示させるようになっています。この時に重要なことは、文字列の時には必ずダブルクォーテーションマーク(")で文字列を囲むことです。計算式や数値の時は囲みませんので注意してください。

関数を使って合計を求める

では、ブック「販売一覧表」で商品ごとの合計を求めていきましょう。
まず、商品名「机」の3か月分の合計を「E4」セルに表示させたいので、まずそのセルを選択(①)します。次に、関数名を指定して入力しますが、合計の利用率は高いので、あらかじめ[オートSUM]ボタンとして用意されています。[数式]タブを選択し(②)、[関数ライブラリ]ブロックの[オートSUM]ボタン(③)をクリックします。
[オートSUM]ボタンは、[ホーム]タブの[編集]ブロック内にもありますが、ボタンをポイントすると名前は「合計」と表示されます。

合計を求める

次に、商品名「イス」、「パソコン」・・の各合計を求めます。そこでExcelのポイントは、"同じ計算方法であれば基となる計算式をコピーして求める"ことです。
「E4」セルの計算式は、表を見ると4月から6月までの合計であることが分かります。しかし、Excelは4月とか6月のデータがどこであるかは判断できません。では、どのようにExcelは見ているかと言うと、「E4」セルの合計は左隣のセル、さらに左隣のセル、そしてもう左隣のセルの3つのセルのデータを足したものであるとします。簡潔に言うと、「E4」セルの合計は、左隣3つのセルの値を足した計算式になっているということです。その他の商品の合計も同じように、合計を表示したい左隣3つのセルのデータを足すことになります。

同じパターンの計算式はコピーすることで結果を得られます。
「E4」セルを選択し、フィルハンドルをポイントして、ポインターが十字になったら「E7」セルまでドラッグしてコピーします。

ドラッグ操作でコピーを終えると合計が表示されます。
Excelというソフトを扱う利点は、このように簡単に計算式を入れることができ、しかも単純にコピーするだけで、一気に計算式を入れることができる点です。もちろん、そればかりでありませんが、基本は計算させる機能をしっかりと身に付けて覚えることです。

計算結果を表示

複数セルの合計を行なう

表を見ると合計の欄は下のほうにもあります。E列の合計は商品毎の3か月分の集計でした。8行目の合計は、各月の集計となります。先ほどと同じように「B8」セルに上4つのセルの値を合計する計算式を入力して、その計算式を「E8」セルまでコピーしてもかまいません。
合計は良く利用する計算式ですので、Excelは特別にもっと簡単に合計を求められるようにしています。

合計を求める「B8」から「E8」のセル範囲をあらかじめ選択(①)しておきます。そして、[数式]タブを選択(②)して、[関数ライブラリ]ブロックの[オートSUM] ボタン(③)をクリックします。

複数の合計を一度に行なう

合計がワンクリックですべて表示されます。
合計欄の箇所によっては、異なるセルの合計になることがあります。少し詳しく説明しますと、[オートSUM]ボタンをクリックした時、Excelはまず上の方向にあるセル内の数値を足そうとします。しかし、上のセルが文字列であったり空欄であると、次に左方向にあるセル内の数値を足そうとします。
ブック「販売一覧表」で説明しますと、「E4」セルを選択して[オートSUM]ボタンをクリックすると、上のセルを見ます。上のセル、つまり「E3」セルは文字列ですので、計算の対象となりません。よって、次に左隣のセルを見ます。「D4」セルには数値が入っています。さらに、左隣の「C4」セルも数値、同様に「B4」セルも数値となります。しかし、「A4」セルは文字列なので、計算の対象となるセルは「B4」から「D4」となり、その範囲を引数の中に記述していることになります。
「B6」から「E8」セルを選択して[オートSUM]ボタンをクリックすると、合計を入れるセルは上のセルを見ます。すると、4つ上まで数値ですので、上4つのセルの範囲が引数の中に入ることになります。

このページでは、主に合計で計算の仕組みを説明しました。基本中の基本ですから、是非マスターしてください。次のページは、表らしく罫線を引いたり、セルに色を付けて見栄えを良くする方法を説明します。