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Excel

関数:黄金の組み合わせ術

※ この項目はサンプルに沿ってレクチャーしています。
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関数とは、よく利用する計算手順やデータの加工法に名前をつけて登録したものです。
関数を利用するだけで、同じ計算を繰り返しできるメリットがあります。
関数は、計算の対象になるセルを「引数」に指定するだけで簡単に計算できます。

=関数名(引数,引数,引数…)

※ 引数とは…計算結果を求めるために必要な値や情報


例えば、『合計』を求めるには、「SUM」関数を使います。

=SUM(引数,引数,引数・・・)

ひとつの関数を使って結果を出せないような場合は、複数の関数を組み合わせることにより解決できます。

ここでは、実務的な関数と関数を組み合わせる方法をご紹介します。

IF関数との組み合わせ術

IF関数とは、条件によって処理を変える関数です。IF関数と他の関数を組み合わせることによって活用範囲が広がります。

=IF(論理式,真の場合,偽の場合)

「中間テスト成績表」のデータから男女別の平均点数を計算する(Sheet:IFと平均)

表のデータから、男性・女性の得点だけを取り出しましょう。

『作業セル』を準備します。

※ 作業セルとは
途中の計算過程のために使う仮のセルのことです。関数で処理した結果を作業セルに表示し、それを元に別の関数で実際に求めたいセルの値を出します。


E列、F列を作業セルとします。列を挿入しましょう。
E列、F列を列選択し、Ctrlキーを押しながら、「+」キーを押します。(ノートパソコンであれば、Ctrlキー+Shiftキー+「+」キー)

Point:

 ⇒ 行・列挿入のキー操作

E列・F列に作業セルを作成します。
E列は男性、F列は女性用とします。下図のように文字を入力し、格子線を引きましょう。

(セル【E2】に「男」、セル【F2】に「女」と入力し、【E2:F13】の範囲に格子線を引きましょう。)

セル【E3】にIF関数を使い、性別が「男」の場合の総得点を取り出します。次の式を入力しましょう。

=IF(B3="男",C3,"")

Point:

計算式の中で使用する文字データに関しては、"ダブルクォーテーションで囲みます。

「""」は、セルを空白にするという意味で、セル内に何も表示させない場合に使用します。

同様にセル【F3】にIF関数を使い、性別が「女」の場合の総得点を取り出す式を入力しましょう。

=IF(B3="女",C3,"")

オートフィルを利用して、セル範囲【E2:F2】の数式を13行目までコピーしましょう。

(セル範囲【E2:F2】を選択し、フィルハンドルをポイントして13行目までドラッグします。)


◆ 平均値を求める(AVERAGE)

平均を求めるには、AVERAGE関数を使います。

=AVERAGE(セル範囲)

作成した作業セルのデータを元に男性と女性の平均を求めます。

(セル【H3】に =AVERAGE(E3:E13)、セル【F3】に =AVERAGE(F3:F13) と入力しましょう。)

(※【H3】と【I3】には、あらかじめ小数点第1位まで表示されるように表示形式が設定されています)

総得点の最高点と最低点を求める( Sheet:IFと最大最小 )

◆ 最大値を求める(MAX)

最大値を求めるには、MAX関数を使います。

=MAX(セル範囲)

◆ 最小値を求める(MIN)

=MIN(セル範囲)

セル【H4】と【I4】には男女それぞれの最高点、【H5】と【I5】には最低点を表示させるようにします。
セルに次の数式を入力しましょう。

Point:

SUM、AVERAGE、MAX、MIN関数の引数は、対象となるセルまたはセル範囲を指定します。

引数指定の場合、マウス操作でクリック、またはドラッグで指定すると効率的です。

成績表からベスト3、ワースト3を求める( Sheet:IFとベストワースト )

◆ 上位を求める(LARGE)

上位を求めるには、LARGE関数を使います。

=LARGE(セル範囲,順位)

セル【H7】に男性のベスト1を求める計算式を入力します。またセル範囲【H8:H9】にセル【H7】の数式をコピーしましょう。
絶対参照を利用して次の式をセル【H7】に入力します。

=LARGE($E$3:$E$13,G7)

男性のデータを取り出している作業セルの範囲をコピーした場合、セル範囲が相対的に変わらないように絶対参照の設定を行います。数式の入力途中でセル範囲【E3:E13】を指定した際に、F4(絶対参照キー)を押して、セル範囲を固定しましょう。

Point:

「$」記号は、絶対参照された列、行であることの記号です。

同様にセル【I7】に女性のベスト1を求める計算式を入力しましょう。

=LARGE($F$3:$F$13,G7)

男女のベスト1の数式をベスト2、3のセルにコピーします。


◆ 下位を求める(SMALL)

下位を求めるには、SMALL関数を使います。

=SMALL(セル範囲,順位)

セル【H11】とセル【I11】にSMALL関数を使った数式を入力し、ワースト3までコピーしましょう。

Point:

ベスト、ワーストの計算式は、あらかじめ順位を表示するG列のセルに「1」~「3」までの数値を入れておき、「順位」のセルとして参照することにより、数式をコピーすることができます。特定のセル範囲を参照する場合、絶対参照してセルを固定しましょう。

     ⇒ (絶対参照キー)

このように、『作業セル』を利用することで、求めたい結果を取り出すことができます。しかし、『作業セル』はあくまでも仮のセルなので、そのまま表示したり印刷する必要はありません。しかし、削除することもできません。
そこで、作業セルを非表示にする必要があります。作業セルの作成されている列を非表示にしましょう。

E列とF列を選択します。

列を非表示にするショートカットキーを使って、EとF列を非表示にしましょう。
Ctrlキーを押した状態で「0」(ゼロ)キーを押します。(※ただし、テンキーは不可です)

または、列番号の上で右クリックし、「表示しない」で操作を行います。


▶ 列・行に関するショートカットキーは以下のとおりです。

列の非表示 Ctrl+0 (テンキーは不可)
列の再表示 Ctrl+Shift+0 (テンキーは不可)
行の非表示 Ctrl+9 (テンキーは不可)
行の再表示 Ctrl+Shift+9 (テンキーは不可)

担当者別の売上合計を求める( Sheet:SUMIF )

◆ 条件に当てはまるデータの合計(SUMIF)

条件に合うものだけを合計するには、SUMIF関数を使います。この関数は、合計の関数SUMと条件を指定したIF関数を組み合わせたものです。

=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)

第1引数の「範囲」は、条件を検索する範囲で、第3引数の「合計範囲」は、集計の対象となる数値があるセル範囲のことです。つまり、「範囲」で指定されているセルのうち、「検索条件」に合致したセルを調べ、該当する行にある「合計範囲」の数値データを足し合わせ(合計)します。

セル【F2】に担当者が「井上」の合計を求め、その数式をセル【F5】までコピーしましょう。

=SUMIF($B$3:$B$15,E2,$C$3:$C$15)

※ 計算式をコピーする場合、絶対参照の設定の必要性を考える必要があります。

セル【F2】に入力された数式を、セル【F5】までコピーします。

(※ セル範囲【F2:F5】には、あらかじめ通貨スタイルの書式が設定されています)