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IT系ラーニング_基礎理論

確率の基本定理

加法定理

2つの事象A、Bが排反でない場合、事象Aまたは事象Bがおこる確率

P(A∪B)=P(A)+P(B)-P(A∩B)

2つの事象が排反である(同時に起こりえない)場合、事象Aかつ事象Bがおこる確率

P(A∪B)=P(A)+P(B)

<例題1>

「袋の中に赤玉3個、白玉2個が入っているとき、この中から同時に2個取り出して同じ色の玉が出る確率」を求めなさい。

「同じ色の玉が出る」ことを「赤玉が2つ」の場合と「白玉が2つ」に分けて考える。

赤玉が2つ出る確率は3C2/5C2= 3/10

白玉が2つ出る確率は2C2/5C2= 1/10

   ⇒ 3/10+1/10=2/5 が答えとなる。

この例では、A「赤玉が2つ出る」、B「白玉が2つ出る」、とするとき、A∩B=なので(AとBの共通部分がない)どちらか一方が起こる確率は「足し算で求められる」。

P(A∪B)=P(A)+P(B)

<例題2>

「1から100までの整数が書かれている100枚のカードから1枚を抽出したとき、その数が3または5で割り切れる確率」を求めなさい。

3の倍数となる確率は33/100

5の倍数となる確率は20/100

15の倍数となる確率は6/100(排反でない場合)

⇒  33/100+20/100-6/100=47/100となり、答えとなる。

この例では、A「3の倍数」、B「5の倍数」、とするとき、AとBの共通部分があるので、単にP(A)+P(B)を計算すると二重に足してしまう部分ができる。そこで、二重の部分P(A∩B)を引いて答えにする。

P(A∪B)=P(A)+P(B)-P(A∩B)

乗法定理

2つの事象A、Bが独立である場合、事象Aかつ事象Bが同時におこる確率

P(A∩B)=P(A)×P(B)

事象Aが起こったという条件下で事象Bが起こる確率(条件付き確率)

P(A∩B)=P(A)×P(B|A)

<例題1>

袋の中に当りくじ2個、はずれくじ3個、合計5個のくじが入っている。
X、Yの2人がこの順にくじを1個ずつ引き、引いたくじは元に戻さないとき、Xが当り、Yがはずれる確率を求めなさい。

Xが当たりくじを引くという事象をAで、Yがはずれくじを引くという事象をBで表わすと

P(A)=2/5

Xが当りくじを引いたとき、残り4個のくじの中に当り1個、はずれ3個となるから、

P(B|A)=3/4

ゆえに、P(A∩B)=P(A)×P(B|A)=3/10

P(A∩B)=P(A)×P(B|A)

<例題2>

袋の中に当りくじ2個、はずれくじ3個、合計5個のくじが入っている。X、Yの2人がこの順にくじを1個ずつ引き、引いたくじは元に戻さないとき、XとYのどちらが有利か。

Xが当たる確率は2/5・・・(1)

Yが当たるのは、「Xが当たってYも当たる場合」と「XがはずれてYが当たる場合」がある。
=2/5×1/4+3/5×2/4=2/5・・・(2)

(1)(2)は等しいので、X、Yの当たる確率は等しい

先に引いた人が当たるのを見たら後に引く人は当たりにくくなり、先に引いた人がはずれるのを見たら後に引く人は当たりやすくなるが、始めの時点で考えれば、「くじに当たる確率は、引く順序に関係ない。

【確率の基本定理】