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IT系ラーニング_システム戦略

調達計画

システム化計画を実現するために必要となる、資金や人員などのシステム資源を調達する計画を立てます。
このとき、人員などを外部の別企業に発注する場合の流れは次のようになります。

1.情報提供・提案依頼
技術動向などの提供を求める情報提供依頼書(RFI)と、調達要求に対する調達依頼書(RFP)を発行する。
2.提案・見積
提案依頼書を受けた企業は、調達要求に対する回答として、提案書および開発・運用・保守費用をまとめた見積書を作成して、提出する。
3.提案・見積評価と調達先選定
提出された提案書及び見積書を、あらかじめ決めておいた提案評価基準により評価して、調達先を決定する。
4.調達先との契約締結
決定した調達先と正式な調達契約を結ぶ。

調達の実施手順

① 情報提供依頼の作成

情報提供依頼は、提案依頼書(RFP)の作成に先立ち、考えうる手段や技術動向に関する情報を集めるために、ベンダ企業に対してシステム化の目的や業務概要を明示して、情報提供を依頼します。
これを文書化したもので、「RFI」とも呼ばれます。

② 提案依頼書の作成・配布

ベンダ企業に対して、導入システムの概要や提案依頼事項、調達条件などを明示し、提案書の提出を依頼するための文書を作成します。
提案依頼書にはシステム概要や目的、必要となる機能や求められるシステム要件、契約事項といったシステムの基本方針を盛り込みます。
RFP」とも呼ばれます。

③ 提案書・見積書の入手

ベンダ企業においてRFPを基にシステム校正、開発手法などを検討し、提案書を作成、依頼元に対して提案します。
見積書はシステムの開発、運用、保守などにかかる費用を示す文書です。取引先の選定や発注内容の確認に重要な役割を持っており、発注元の企業はこれを選定基準と照らし合わせて最終決定を行います。

④ 調達先の選定

提案評価基準や要求事項適合度の重み付けを含めた選定基準から、調達先の企業を選定します。

選定方法

企画競争:複数の企業に対して企画書の提出、プレゼンテーションの実施を求めて、競争させる方法。
一般競争入札:入札情報を公告し、参加資格を満たした参加者に対して見積りの提出を求め、価格を競争させる方法。

◆ 調達リスク分析

調達に伴うリスクことを調達リスクといい、品質やコストに関するリスク、法律上のリスク、情報漏洩などのリスクなどがあります。
リスクの分析・評価は、「内部統制」、「コンプライアンス」、「CSR調達」、「グリーン調達」などの観点から行い明確にしておきます。

・CSR調達
調達先を決定するとき、候補となる企業の社会的責任(CSR)の取り組みを重視します。
・グリーン調達
環境に配慮した材料や部品などを優先的に購入したり、環境経営を積極的に行っている企業から優先的に調達をします。

⑤ 契約締結

選定した調達先企業と契約内容について交渉を行い、納入システム、費用、納入時期、調達元とベンダ企業との役割分担を決定し、契約を締結します。
契約形態には、「請負契約」、「委任契約」があります。

請負契約
「仕事の完成」を目的とした契約のこと(民法第632条)。
請負契約の最大の特徴は、「仕事の完成」という「結果」に対する責任を負う、という点。
委任契約
「一定の行為」の遂行を目的とした契約のこと(民法第643条)。
委任契約の最大の特徴は、「法律行為」や「法律行為でない事務」のような、一定の行為について責任を負う、という点。

【調達計画】