損益の発生を記録、計算、整理することを会計といい、その事務作業を財務といいます。
企業会計は、その目的から、財務会計と管理会計に分けることができます。

• 財務会計 ： 企業外部の利害関係者に、企業の財務状態や経営成績などに関する経済的情報を提供するためのもの。
• 管理会計 ： いわば内部用の資料になるもの。

売上と利益

費用

企業が経営活動を行うために支払う金銭のことです。

利益

売上から費用を引いたものです。

利益と原価の計算

販売する商品の数が多いほど、1個あたりの固定費が小さくなるので、商品の価格を下げることが可能です。よって、商品価格を変えなければ、得られる利益が大きくなるということになります。

最大利益－価格の設定方法

新商品を発売する際、過去の類似商品の売れ行きや潜在需要の見定めなどの分析をして予想販売量を決定し、それに基づいて最大の利益が出るように商品の価格を決定します。

例）固定費：1,000,000円、変動費：600円/個

市場のニーズを読み違えると、商品の売れ行きが伸び悩む事態は往々にしてあります。

損益分岐点

損失が出るか利益が出るかの分かれ目となる売上高や数量のことです。
つまり、売上と費用とが等しく、利益・損益ともに『０』になる点のことです。

損益分岐点は、前述したように限界利益と固定費が同じ金額となる売上高であり、言い換えれば、利益がゼロになる売上高のことです。売上高、変動費、固定費と利益の関係は次のようになっています。

よって、利益は以下の式で求められます。

利益＝売上高－変動費－固定費
変動費を変動費率で表すと
利益＝売上高－変動費率×売上高－固定費

＜例題（損益分岐点売上高）＞

固定費：1,000,000円、変動費：600円/個、販売価格：1,600円

固定費＋1個当りの変動費×販売個数＝販売価格×販売個数より

1,000,000＋600x＝1,600x
1,000,000/x＋600＝1,600
1,000,000/x＝1,000
x＝1,000

これが損益分岐点の販売個数になるので、売上高は
「1,600×1,000＝1,600,000円」となる

機会損失

ある決定または行動が最善でない場合に、最善の決定、行動をした場合との差をいいます。
例えば、

• １００円の価格で販売できた商品を、その機会を逃したために８０円でしか販売できなくなった場合
• Ａ社が１００円で購入することを知っていながら、Ｂ社へ９０円で販売したような場合

のマイナスの差をいいます。

◆ 機会損失になりえる要因

在庫切れ、自動販売機の故障、原料入手困難に伴う牛丼の販売中止、クリスマス・シーズンを狙った新機種販売の延期、空港が閉鎖されていないのに機体が確保できないことに伴う航空便欠航。

◆ 機会損失になりえない要因

野外コンサートの雨天中止(原因が売る側にない)。ひなびた温泉街に遊ぶ場所がない(売る者がもともと存在しない)。

決算

決算とは、毎年ある特定の日を決めて、その日までの１年間の売上や利益を計算することをいい、その特定の日のことを「決算日」と呼びます

• 主要簿とは、仕訳帳と総勘定元帳のことをいい、貸借対照表、損益計算書を作成するのに必要不可欠な帳簿のことです。
• 補助簿とは、主要簿では不十分な記録を補うための帳簿で、企業が必要に応じて使用します。
  現金出納帳、預金出納帳、仕入帳、売上帳などをいいます。

帳簿の種類

仕訳帳

仕訳帳とは全ての取引を日付順にまとめた帳簿のことです。

総勘定元帳

総勘定元帳は、全ての取引を勘定科目別に１冊にまとめた帳簿のことです。
仕訳帳にはすべての取引が記録されるので、例えば現金だけの金額を集計したいときなどは不便です。勘定科目別に整理するのが総勘定元帳です。

試算表

試算表とはすべての勘定の金額をひとまとめにして表にし、借方と貸方の金額が一致する事を確認するためのものです。試算表は、会計期間の期末(決算)に必ず作成します。

精算表

精算表とは、「決算整理前の残高試算表」に「決算整理仕訳」を加え、損益計算書と貸借対照表を作成するまでの過程を一つの表にしたものです。

決算の流れ