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システム戦略


要件定義

IT全体計画からの要求、利用部門からの要求などを分析して、開発する情報システムがもつべき機能を示すことです。このプロセスは、主に発注者の任務となります。
要件定義は、システム開発の最初のプロセスです。これが不適切だと、開発した情報システムも不適切なものになります。
要件定義が不適切なことが、後のプロセスで発見されると、手戻りが発生して、費用や納期に大きな影響を与えます。

要求定義:利用者がシステムに要求する事項の内容を明確にすること。
要件定義:システム構築にあたって、システムにどの機能を取り込むかを明確にすること。

厳密には、要求定義→要求分析→要件定義というプロセスになります。

要求分析

情報システムに実装すべき機能を検討するとき、利用者の要求を分析することです。
すべての要求を受け入れることでなく、コスト面、技術面、運用面から、どこまで反映するかを検討することが大事だといえます。

要求分析の手順
  1. ユーザニーズ調査(アンケート調査、面接調査、現地調査など)
  2. 現状分析(現状を把握して、調査の結果などと照らし合わせて、システムが必要かを検討する)
  3. 課題定義と解決策検討(非効率な業務や、人為的ミスの状況などの改善点を明らかにして、新しい業務モデルと業務フローの提案を行う)
  4. 要求仕様書の作成(利用者要求に基づいて、情報システムが満たすべき条件などをまとめた文書。この要求仕様書の品質を確保することが大事である)

要件定義

要件分析の結果に基づいて、システムや業務全体の枠組みや、システム化の範囲、システムを構成するハードウェア、ソフトウェアに要求される機能や性能などを決定することです。

目的

利用者のニーズに合致したシステムの設計、開発を進めるとともに、経営戦略や事業戦略の実現に貢献する高品質なシステムを開発することです。

要件の定義

常務上必要な要件を定義する「業務要件定義」と、システムの機能要件を定義する「機能要件定義」、パフォーマンスや信頼性、移行要件などの機能以外の要件を定義する「非機能要件定義」があります。

ここでの機能とは、業務を遂行するためにシステムがもつべき機能のことです。

◆ 業務要件定義
システム化の対象となる業務について、業務を遂行する上で必要な要件を定義します。
現行の業務を可視化するプロセスです。
システムで実現すべき機能の重要な判断材料となります。
DOA(Data Oriented Approach)
データ中心アプローチと呼ばれ、業務で扱うデータの構造や流れに着目し、システム設計を行なう手法です。企業で扱うデータの統一的なデータベースを作り、一元化することで個々のシステム設計をシンプルにするというアプローチです。

全体的なシステム化を計画するにあたり、全体的なプロセスの流れである「ソフトウェアライフサイクル」を考慮することが重要です。

◆ 機能要件
要件のうち、業務遂行に必要な要件
  • 月末に請求書を発行する
  • 期末に財務諸表を作成する

というような、これがないと業務ができないような機能。

  • 誤った入力データをチェックする
  • ユーザが担当する商品の計画実績対比を表示する

というような付帯的な機能。

◆ 非機能要件
使いやすさやサービスに関する要件
  • 画面のデザインをこのようにしてほしい
  • レスポンスタイムを○秒以内にする
  • ハードウェアトラブルが発生したら、○分以内で復旧する

というような要件。