初期のCPUでは、1クロックごとに実行していたため、1つの命令に4クロック必要です。
1人の人間が4つの仕事を行うより、4人で手分けした方が仕事が早く進むように、ベルトコンベアを1台設置し、1人の人間が1つの仕事を担当し、これが完了したら次の人にバトンタッチする「流れ作業」を導入します。これが、「パイプライン方式」です。
原理は極めて単純で、各ステージをより細かく分割するというものです。4つのステージの仕事を前半と後半に分け、それぞれ2人で分担するというものです。
「フェッチ(F)」、「デコード(D)」、「実行(E)」、「ライトバック(W)」の4ステージをそれぞれ前半と後半に分け、「フェッチ(F1,
F2)」、「デコード(D1, D2)」、「実行(E1, E2)」、「ライトバック(W1,
W2)」の8ステージに分割しています。1ステージに要する時間が半分に短縮されるので、周波数が2倍のクロックで動作させることができます。
同じように人を増やすにしても、ベルトコンベアを2台以上設置すれば、各ステージの仕事の内容を細かく分割することなく、トータルのアウトプットを2倍以上に向上させることが可能です。処理の並列化により高速化する手法が、「スーパースカラ方式」です。
マイクロプロセッサの高速化技術の一つです。
依存関係にない複数の命令を一つの命令としてまとめて同時に実行します。
同時実行される命令の数は常に一定に保たれ、規定の数に達しない場合は「何もしない」命令で埋められます。1命令の長さが従来のプロセッサに比べてきわめて長いため、このような名前で呼ばれます。