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レポートの作成4
R顧客一覧レポート作成
顧客情報は最もデータベース化されている部類のデータです。リスト(一覧)として印刷されるようなものは、レポートを作成しておけば、いつでも印刷できます。
[顧客テーブル]を基に「R顧客一覧」レポートを作成します。
① [作成]タブを選択し、[レポート]-[レポートウィザード]ボタンをクリックします。
② [テーブル/クエリ]欄は「テーブル:顧客テーブル」を一覧から選択します。[選択可能なフィールド]のすべてのフィールドを[選択したフィールド]に移動させます。[次へ]ボタンをクリックします。(下図を参照)
③ グループレベルは設定しません。[次へ]ボタンをクリックします。
④ 並べ替えは[顧客ID]を「昇順」で設定します。[次へ]ボタンをクリックします。
⑤ 印刷形式の[レイアウト]は「表形式」、[印刷の向き]は「横」を選択します。[次へ]ボタンをクリックします。
⑥ スタイルは「フォーマル」を選択します。[次へ]ボタンをクリックします。
⑦ レポート名に「R顧客一覧」と入力して、[完了]ボタンをクリックします。
⑧ [R顧客一覧]レポートが表示されます。
情報が多いので、すべての内容が表示されていません。レポートの場合、フィールドの数が多ければ1つのコントロールの幅が狭く設定されるために、文字が欠けたように見えます。
レポートでは、この修正作業に大きな時間を費やし、デリケートな作業となります。しかし、何回も繰返し作業をしていくと、徐々にコツがつかめてきます。
[R顧客一覧]レポートの修正ポイントは以下のようになります。
- フリガナのコントロールを削除
- 都道府県、市区町村、番地、建物名をつなげて表示
- 電話番号の幅の調整
他にもいろいろとありそうですが、今回はこれら3つのポイントを編集します。
[フリガナ]コントロールの削除
[会社名]フィールドと[フリガナ]フィールドの情報そのものは同じになります。読み仮名の有無という判断となりますが、ここでは[フリガナ]フィールドは不必要と判断して削除します。
※ [フリガナ]フィールドは、かなりの幅を取るコントロールの1つです。もし、必要であれば、会社名の上か下かに配置して、2段表示すると良いでしょう。
① デザインビューに切り替えて、[詳細]セクションのテキストボックス[フリガナ]を選択します。
② Deleteキーを押して、[フリガナ]のラベルとテキストボックスを削除します。
不要なコントロールを削除すると、右側のラベルとテキストボックスの対が自動的に移動して、隙間を埋めます。
③ ラベルやテキストボックス個別を削除したり、レイアウトを変更する時は、レイアウトの解除を行なう必要があります。
[ページヘッダー]と[詳細]セクション内のすべてのコントロールを選択します。
右クリックして表示されるショートカットメニューから[レイアウト]-[解除]を選択します。
④ [名]ラベルを削除し、[姓]を[代表者名]と変更します。また、幅も下の[姓]と[名]のテキストボックスに合わせます。
住所を1つにまとめて表示する
住所を現すフィールドがいくつか分割されていますので、各コントロールの幅の調整が難しくなります。そこで、これらフィールドを1つにまとめて表示すると、かなりの表示幅を制御できます。
① [都道府県]、[市区町村]、[番地]、[建物名]テキストボックスをShiftキーを押しながら選択し、プロパティシートの[書式]-[可視]プロパティを「いいえ」に設定します。
② 新規の非連結テキストボックスを作成します。
[レポートデザインツール]-[デザイン]タブを選択し、[コントロール]-[テキストボックス]ボタンをクリックします。
[詳細]セクションの[都道府県]テキストボックスの真上でクリックします。
③ 作成したテキストボックスと同時に作成されたラベルはDeleteキーで削除します。
[非連結]テキストボックスのプロパティシートの[データ]タブを選択して、[コントロールソース]プロパティのビルドボタンをクリックします。
④ [式ビルダ]ダイアログボックスが表示されます。まず、「=」ボタンを押します。
左側の[レポート]フォルダをダブルクリックし、展開された一覧から[すべてのレポート]をさらにダブルクリックして、[R顧客一覧]を選択します。
⑤ 中央の[都道府県]を選択します。右側は「<値>」が選択されていることを確認して、[貼り付け]ボタンをクリックします。
次に、「&」ボタンをクリックします。
⑥ [市区町村]をダブルクリックして次に[&]ボタンをクリックします。後は、[番地]、[&]、[建物名]を貼り付けていきます。この作業で重要なことは、[&]の前後に半角のスペースを必ず入れることです。自動で半角スペースが入る場合と、入らない場合がありますので、入らない時は手動で半角のスペースを入れるようにしましょう。
⑦ 「= [都道府県] & [市区町村] & [番地] & [建物名]」となっていることを確認して、[OK]ボタンをクリックします。
⑧ 印刷プレビューに切り替えます。
住所全体が1つにつながっていることを確認します。
⑨ 次に不必要なラベルを削除して、[都道府県]ラベルを[住所]に変更します。また、ラベルの幅も[建物名]の箇所まで広げます。
[電話番号]テキストボックスの幅調整
電話番号がすべて表示されていませんので、幅を広く取ります。セットとなっているラベルとテキストボックスは、同時に修正するとレイアウトしやすくなります。
① [電話番号]のラベルとテキストボックスをShiftキーを押しながら選択します。
コントロールの左端中央をポイントして、右側にドラッグしてコントロールの幅を広くします。
② 電話番号がすべて表示されるぐらいの幅まで広げます。
③ 印刷プレビューに切り替えて、確認します。
顧客一覧が見やすくなっていることを確認します。
まとめの修正
部分的な修正を行なったら、最後に全体的な編集を行ないます。
次のように設定してください。
- [ページヘッダー]セクションのすべてのラベルのフォントサイズを「9」に設定
- [詳細]セクションの[顧客ID]テキストボックスに[中央揃え]を設定
- タイトル[R顧客一覧]の「R」を削除して、[顧客一覧]に変更
- 住所の[建物名]の前にスペースを入れる
建物名の前にスペースを入れるには、[非連結]テキストボックス内の式を書き換えます。
住所を1つにまとめた時に利用した[式ビルダ]ダイアログボックスを表示させて、[番地]と[建物名]の間にスペースを入れる式を作成します。
「=[都道府県] & [市区町村] & [番地] & " " & [建物名]」と修正します。「" "」の中は全角のスペースを入れます。
これで、[R顧客一覧]レポートが完成しました。レポートは上書き保存をして閉じておきます。
テーブル、クエリ、フォーム、レポートの順に作成してきました。テーブル作成は、必ず最初に行うオブジェクトですが、クエリ、フォーム、レポートの作成は、必要なものだけを作成します。フォーム、レポートに関して言えば、基のデータは、テーブル、またはクエリになりますので、クエリを基にするのであれば、まずクエリを作成してフォーム、レポートを作ることになります。
必要なオブジェクトを作成した後、実際に運用する画面は"フォーム"です。データを追加したり、更新、削除を行なう際、テーブルやクエリを使うとなれば、Access操作を熟知したユーザでないと作業できません。Accessを知らないユーザにも利用してもらうためには、フォームで直感的に操作できるように作成します。その為には、"マクロ"オブジェクトを使用することになります。